2014年 TNR一斉手術 in 松本市
4月9日・10日
長野県松本市にてねこのTNR一斉手術が行われました。
いつものように山口武雄獣医師(他獣医師数名)にご協力いただきながら、
NPO法人犬猫みなしご救援隊との協働活動です。
2日間で、オス81頭・メス81頭 計162頭の不妊去勢手術を行いました。
今回は空き家をお借りして会場とさせて頂きましたが、
沢山の地元ボランティアさんが来てくださり、
所狭しと朝早くから夕方までほぼ休むことなくお手伝いくださいました。
早速続々と手術を受けるねこたちが集まってきます。
ねこたちの不安を少しでも和らげるため、キャリーや捕獲機には布を覆っています。
さあ、ここからは時間との戦いです。
ねこたちは、まず医師たちによって安定剤を打たれ、暫くして麻酔薬を投与されます。
誤って二度麻酔をかけてしまうと命の危険があるため、間違いは決して許されません。
沢山のねこがいるのでどのねこがどの段階まで処置が行われたか、
誰もがすぐにわかるようにねこの腕にカードを付け、
行われた処置にチェックし必要事項を記入します。
麻酔が効いたねこたちは次々とペットシーツの上に寝かされ手術箇所の毛をバリカンで剃られます。
その後手術が始まるまで、怪我や妊娠の有無、歯の状態等チェックし、何か気づいたことがあれば
医師たちにスムーズに伝達できるようカードとペットシーツにメモをしていきます。
オスねこは怪我をしている子もいました。
未去勢のオスねこ達はテリトリーやメスねこをめぐって喧嘩をします。
放置された傷が悪化し命を落とす事もあります。
この子は喧嘩でしょうか、それとも風邪が悪化したのでしょうか。
片目は委縮し、もう片方の目も白濁しています。
こんな視界の悪い状態で、ねこ同士戦いながら生き抜いてきたのでしょうか…
でもこれからは、もう戦わなくていいんだよ。
この子も目が殆ど見えてなかったのではないかと思われます。
一斉手術では、不妊去勢手術は勿論のことですが、
このように傷や疾病が発見された場合は出来る限りの治療も施しております。
望まれない命を産ませないことは勿論、
外という厳しい環境下でこれからも生きていかざるを得ないこの子達の命を尊重し、
少しでも快適に生きて欲しい…そういう想いをもっての活動です。
しかしながら、中には状態が悪すぎて手術が出来ない子もいました。
写真では判り辛いのですが、
バリカンをかけてみると素人目にもはっきり体に黄疸が出ているのがわかりました。
痩せて骨と皮だけの体、毛艶もなく…
どれだけ苦しみながら生きてきたのでしょうか。
今回手術を行ったメス81頭のうち、49頭が妊娠していました。
堕胎した胎児の数は187頭にものぼりました。
耳を塞ぎたくなるような現実です。
堕胎することは倫理に反する、可哀想と思われるかもしれません。
もちろんその場に立ち会った私たちも心が張り裂けるような想いでした。
(胎児は母ねこのお世話をしてくださっている方へ託し、埋葬して頂くことにしています)
でも、これだけの頭数が産まれてきたとして、果たしてどれだけの子を救うことができるでしょうか。
どれだけの子が生き延びるでしょうか。
外で生きていくという事は、上記の子達のように決して幸せでも、容易ではないことがわかると思います。
この子は長毛のため、毛が指も通らないほど固く絡まり、体中大きな毛玉だらけでした。
ここまで酷い状態では皮膚が呼吸をすることが出来ずにカビてしまい、死に至ることもあるそうです。
お手伝いの方が汗を流しながら長い時間かけて丸刈りにしてくれました。
刈った毛の塊です。
どれだけ不自由な生活だったことでしょう。
綺麗好きだと言われるねこが、どれだけ不快だったことでしょう。
日中はだいぶ暖かになったとはいえ、まだまだ朝晩は厳しい冷え込みのある長野です。
少し毛が伸びるまでリリースしないで、お世話をしてくださる方に面倒みて頂けるようお願いしました。
また、中には虐待を受けたと思しきねこもいました。
両耳が殆ど切り取られ、尻尾も切られ、神経が出ていました。
背中にも数か所大きな傷が…
外で生きていくということは、心無い人間の犠牲になる危険とも隣り合わせなのです。
このメスは、お乳の周りに500円玉ほどの大きさの、膨らみがあるのがわかるでしょうか。
乳腺腫瘍の疑いがあるようです。
猫の乳腺腫瘍はほとんどが悪性(乳癌)なのだそうです。
こういった病気は、早期に避妊手術を行うことで本来は防げます。
手術は延々と続きます。
手術が済んだ子には、耳先カットを施し、ノミダニ駆除をします。
その後、それぞれ入っていたキャリーや捕獲機に地元の方々によって戻されるのですが、
中には早々に麻酔が切れて覚醒してくる子も。
あってはならないことですが、立付の悪いキャリーの扉を自力で開けて脱走した子が出てしまいました。
まだ麻酔の覚めきらぬ体で必死に逃げた先は木の上。
的確な判断で犬猫みなしご救援隊の方が木に登り、
下で網を持って構えていた我々に引き渡してくださったお陰で無事確保出来ましたが、
ねこをキャリーに入れる際は、こういったことがないよう、必ずガムテープ等で扉の補強をお願いします。
初日は地元メディアの取材も入りました。
『この子は元々地域猫だったのよ』と、耳先カットが入った愛猫を、胸をはって紹介できるような飼い主さんが
当たり前のようにいる、そんな世の中にしたい…
という我々の想いを熱心にうなずきながらメモを取ってらっしゃいました。
松本市TNR一斉手術の様子は、
『NPO法人・犬猫みなしご救援隊・代表ブログ・みなしご庵へようこそ』
4月9日
4月11日
でも紹介されています。是非併せてご覧ください。
全国一斉TNR活動は
皆様のご協力やご理解のもとで活動させていただいております。
引き続き温かいご支援ご声援をどうぞ宜しくお願い致します。
長野県松本市にてねこのTNR一斉手術が行われました。
いつものように山口武雄獣医師(他獣医師数名)にご協力いただきながら、
NPO法人犬猫みなしご救援隊との協働活動です。
2日間で、オス81頭・メス81頭 計162頭の不妊去勢手術を行いました。
今回は空き家をお借りして会場とさせて頂きましたが、
沢山の地元ボランティアさんが来てくださり、
所狭しと朝早くから夕方までほぼ休むことなくお手伝いくださいました。
早速続々と手術を受けるねこたちが集まってきます。
ねこたちの不安を少しでも和らげるため、キャリーや捕獲機には布を覆っています。
さあ、ここからは時間との戦いです。
ねこたちは、まず医師たちによって安定剤を打たれ、暫くして麻酔薬を投与されます。
誤って二度麻酔をかけてしまうと命の危険があるため、間違いは決して許されません。
沢山のねこがいるのでどのねこがどの段階まで処置が行われたか、
誰もがすぐにわかるようにねこの腕にカードを付け、
行われた処置にチェックし必要事項を記入します。
麻酔が効いたねこたちは次々とペットシーツの上に寝かされ手術箇所の毛をバリカンで剃られます。
その後手術が始まるまで、怪我や妊娠の有無、歯の状態等チェックし、何か気づいたことがあれば
医師たちにスムーズに伝達できるようカードとペットシーツにメモをしていきます。
オスねこは怪我をしている子もいました。
未去勢のオスねこ達はテリトリーやメスねこをめぐって喧嘩をします。
放置された傷が悪化し命を落とす事もあります。
この子は喧嘩でしょうか、それとも風邪が悪化したのでしょうか。
片目は委縮し、もう片方の目も白濁しています。
こんな視界の悪い状態で、ねこ同士戦いながら生き抜いてきたのでしょうか…
でもこれからは、もう戦わなくていいんだよ。
この子も目が殆ど見えてなかったのではないかと思われます。
一斉手術では、不妊去勢手術は勿論のことですが、
このように傷や疾病が発見された場合は出来る限りの治療も施しております。
望まれない命を産ませないことは勿論、
外という厳しい環境下でこれからも生きていかざるを得ないこの子達の命を尊重し、
少しでも快適に生きて欲しい…そういう想いをもっての活動です。
しかしながら、中には状態が悪すぎて手術が出来ない子もいました。
写真では判り辛いのですが、
バリカンをかけてみると素人目にもはっきり体に黄疸が出ているのがわかりました。
痩せて骨と皮だけの体、毛艶もなく…
どれだけ苦しみながら生きてきたのでしょうか。
今回手術を行ったメス81頭のうち、49頭が妊娠していました。
堕胎した胎児の数は187頭にものぼりました。
耳を塞ぎたくなるような現実です。
堕胎することは倫理に反する、可哀想と思われるかもしれません。
もちろんその場に立ち会った私たちも心が張り裂けるような想いでした。
(胎児は母ねこのお世話をしてくださっている方へ託し、埋葬して頂くことにしています)
でも、これだけの頭数が産まれてきたとして、果たしてどれだけの子を救うことができるでしょうか。
どれだけの子が生き延びるでしょうか。
外で生きていくという事は、上記の子達のように決して幸せでも、容易ではないことがわかると思います。
この子は長毛のため、毛が指も通らないほど固く絡まり、体中大きな毛玉だらけでした。
ここまで酷い状態では皮膚が呼吸をすることが出来ずにカビてしまい、死に至ることもあるそうです。
お手伝いの方が汗を流しながら長い時間かけて丸刈りにしてくれました。
刈った毛の塊です。
どれだけ不自由な生活だったことでしょう。
綺麗好きだと言われるねこが、どれだけ不快だったことでしょう。
日中はだいぶ暖かになったとはいえ、まだまだ朝晩は厳しい冷え込みのある長野です。
少し毛が伸びるまでリリースしないで、お世話をしてくださる方に面倒みて頂けるようお願いしました。
また、中には虐待を受けたと思しきねこもいました。
両耳が殆ど切り取られ、尻尾も切られ、神経が出ていました。
背中にも数か所大きな傷が…
外で生きていくということは、心無い人間の犠牲になる危険とも隣り合わせなのです。
このメスは、お乳の周りに500円玉ほどの大きさの、膨らみがあるのがわかるでしょうか。
乳腺腫瘍の疑いがあるようです。
猫の乳腺腫瘍はほとんどが悪性(乳癌)なのだそうです。
こういった病気は、早期に避妊手術を行うことで本来は防げます。
手術は延々と続きます。
手術が済んだ子には、耳先カットを施し、ノミダニ駆除をします。
その後、それぞれ入っていたキャリーや捕獲機に地元の方々によって戻されるのですが、
中には早々に麻酔が切れて覚醒してくる子も。
あってはならないことですが、立付の悪いキャリーの扉を自力で開けて脱走した子が出てしまいました。
まだ麻酔の覚めきらぬ体で必死に逃げた先は木の上。
的確な判断で犬猫みなしご救援隊の方が木に登り、
下で網を持って構えていた我々に引き渡してくださったお陰で無事確保出来ましたが、
ねこをキャリーに入れる際は、こういったことがないよう、必ずガムテープ等で扉の補強をお願いします。
初日は地元メディアの取材も入りました。
『この子は元々地域猫だったのよ』と、耳先カットが入った愛猫を、胸をはって紹介できるような飼い主さんが
当たり前のようにいる、そんな世の中にしたい…
という我々の想いを熱心にうなずきながらメモを取ってらっしゃいました。
松本市TNR一斉手術の様子は、
『NPO法人・犬猫みなしご救援隊・代表ブログ・みなしご庵へようこそ』
4月9日
4月11日
でも紹介されています。是非併せてご覧ください。
全国一斉TNR活動は
皆様のご協力やご理解のもとで活動させていただいております。
引き続き温かいご支援ご声援をどうぞ宜しくお願い致します。
by chibawan-tnr
| 2014-04-11 21:19
| TNR活動報告
ちばわんが各地で行っている地域猫活動(TNR)の報告です
by chibawan-tnr
S | M | T | W | T | F | S |
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
ちばわんリンク
カテゴリ
全体TNR年間活動実績
TNR活動報告
多頭飼育現場一斉手術
お知らせ
未分類
最新の記事
2023年 TNR年間活動実績 |
at 2024-03-14 10:07 |
2022年 TNR年間活動実績 |
at 2023-04-10 11:06 |
2021年 TNR年間活動実績 |
at 2022-03-26 14:38 |
2020年 TNR年間活動実績 |
at 2021-02-23 16:52 |
2020年11月 千葉県一斉手術 |
at 2021-02-23 15:46 |
以前の記事
2025年 12月2024年 03月
2023年 04月
2022年 03月
2021年 02月
2020年 01月
2019年 04月
2018年 08月
2017年 07月
2016年 12月
2016年 10月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 08月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 07月
2013年 06月